「んー。でも、優斗くんの実力知らないからな。ピアノの経験は?」
「ない。だって俺、小学校からずっとサッカー一筋だからな。」
ふうっとため息をついて、立川さんはソファーに座った。
少し考えてから、立ち上がり本棚のところに行き、薄緑と青色の本を持ってきた。
「これ、ちょっと見て。」
立川さんが最初のページを開くとそこには、俺でもいけるかな、ってくらいの簡単そうな楽譜があった。
「この楽譜とかって読める??」
「そこまで無知じゃねえよ。ドレドレドレミファミファミファレミレミレミ…。」
立川さんがほっとした表情になった。
「バイエルの最初あたりなら弾けるかな?!」

