「おやつを食べよう、たーべよ。おやつが大好き。だーいすき、いちごGo!Go!」
笑顔をずっとキープし続けていくのは、思いのほか大変だ。俺の頬は若干けいれんをおこしていた。
「うまくなってきたじゃない。」
立川さんはほっとしたようだ。
そりゃあそうだ。一時間で計6つも手遊びを覚えられたんだからな。頭の良い俺に感謝しろ。ついでに付き合ってくれ。
「じゃあ、手遊びはもういいよな!他は?」
「絵本の読み方。」
いやいやいやいや。絵本とかさ、大きな声で明るくはっきりとゆっくり感情込めて読めればいいんだろ?そんなの誰だってできるさ、根暗じゃなければ。
「そんなことくらいちょろいぜ。」
「そう?じゃあ読んでみて。」
絵本を渡された。

