あくび

ふっと、得意げに笑ってその仮説を説明してくれた。


「欠伸が出る空気があって、その辺漂ってんの。で、近くにいると同じ空気吸うじゃん?だから、移るっつーか、共有してんじゃないかなぁーって。」

「なるほど。ってか、真面目にそんな事考えたんだ?」

「そ、真面目に考えて弾き出した。」

「でも、何となく頷けるのが笑える。」

「だろ?」


君は自慢げに口角を上げた。歳よりだいぶ若く見える君の笑顔。


「そんな非科学的な事を言い出すとは…」

「やー、絶対そうだって。」

「あーそう。」

「…うん、そう。」


会話をしながらも、眠たそうにしている君。

徐々に話しかけるのをやめる私。