とある看護学生のはなし。





同級生の彩花ちゃんや瑞月ちゃん、笹部くんが保育士になりたい、テーマパークで働きたい、




スポーツ選手になる!




そんな希望を抱いている頃、ただただわたしは看護師という職業しか目に入っていなかった。




看護師の夢のきっかけになった小林くんへの気持ちは薄れても、看護の道への憧れは募るばかりだった。




「まだ小さいのに看護師さんになりたい、だなんて偉いね。頑張って。」




わたしが夢を口にすると大人の人はそう言うけれど、その頃のわたしにはその選択肢しか頭に無かったから、褒める意味が分からなかった。




「なりたいものになりたいって言っただけなのに、どうして偉いんだろう?」