うわ、話しかけ辛いな。
瑞月ちゃんの助言通り、部活帰りに運動場に寄って金田くんを誘おうと思ったのだけれど、3月末から1ヶ月近く話していないためか緊張してしまう。
しかも、他の部員5、6人と一緒に運動場の真ん中で談笑しているためにかなり近付き辛い。
向こうはわたしに気付かない。
でも、話しかけなきゃ、話しかけなきゃ。
「ちょっと夏実せんぱーい!どこ行ってんすか!探しましたよー!早く一緒に帰りましょうよ。」
後ろから大きな鈴木くんの声。
「うわ、びっくりした。鈴木くんか。」
鈴木くんを振り返る直前、そう口にした瞬間に金田くんと目が合った。
振り返ったら、中学一年生にしては170センチの背の高い鈴木くんがわたしを見下ろしていた。
