幸せじゃない訳ではない。 水泳部ではタイムを少しずつ伸ばして、県大会に出場出来る実力が付いてきている。 部活後に睡魔と戦いながら勉強して、前回の学年末テストでは学年トップ5の成績にも入った。 充実はしている。 けど、隣に金田くんはいない。 「幸せ、だよ。たぶん。」 「そう言えば、最近金田と一緒に帰ってないよね?」 「…うん。真理亜ちゃんと鈴木くんと帰ってる。」 金田くんに帰りの誘いを貰えなくなったわたしは、この頃毎日水泳部の後輩の真理亜ちゃん、鈴木くんと帰っていた。