とある看護学生のはなし。





それまでずっと彩花ちゃんと瑞月ちゃんと一緒にいたのに、その日を境に彩花ちゃんはわたしの傍から離れて行った。




「気にすることないよ、自分の好きなようにすればいいと思う。彩花は自分のことになると、ちょっと周りが見えなくなるとこあるから。」




なんて瑞月ちゃんは大人みたいなことを言うけれど、わたしは茫然としてしまっていた。




今まで彩花ちゃんと口げんかさえしたことが無かった。




まさか金田くんのことで彩花ちゃんがカッとなるなんて想像もしていなかった。




金田くんのことも、秘密にしたかった訳では無くて、わたしも金田くんも照れくさくて周りに




言えなかっただけだった。




「夏実の考えることなんて、大体分かってるからね。」




瑞月ちゃんは、体育祭の前からわたしの気持ちに気付いていたと言う。