「ねえ、話があるの。」
彩花ちゃんが怖い顔をしてそう言うときは良い話じゃないことくらい、長い付き合いだから分かってる。
「何の話?」
わたしが恐る恐る言葉を発すると、それを合図に彩花ちゃんは捲し立て出した。
「だいたいね、バスケやめたのにどうして水泳部に入ってるわけ?まあ、それは良いとしても、どうして金田と付き合ってること言わなかったの?本人から聞いたから、知ってるの。あたしには秘密なわけ?ねえ、何とか言いなさいよ!」
ああ、彩花ちゃんは金田くんのこと好きだったんだな、気付かなかったなあ。
なんて思いながら「ごめんね。」それしか言葉は出てこなかった。
彩花ちゃんは一通り話し終えると教室を出て行ってしまった。
