とある看護学生のはなし。





金田くんの足が綺麗に回転しながらどんどん加速していくのが見えた。




「夏実、お疲れ様!」




第5走者だった彩花ちゃんに声をかけられる。




「ありがとう。」




会話を交わしながらも、アンカーの金田くんに釘付けになる。




風のように走っていく。




あ、1人抜いた。




また1人抜いた。




わたしがバトンを渡した時点では1位とかなり差があったのに、すごい。




ゴールの傍で1位の黄団のアンカーと金田くんが接戦になる。




あと少し、というところで黄団アンカーで陸上部のエースの男の子がゴールテープを切った。




「金田、速かったのに、惜しいね。」




彩花ちゃんが呟いた。




「ほんとだね。」