バスケットボール部に入った時、かなり短くしていた髪の毛が伸びて、男の子によく話しかけられるようになった。
「松川、シャーペン貸して。」
「松川、ノート見せて。」
「松川、昨日テレビ何見た?」
「松川、次の授業って何だっけ。」
隣の席の金田くんには毎日話しかけられるようになり、段々仲良くなった。
好きな音楽が似ていること、金田くんは今はサッカー部だけど昔水泳をしていたこと。
細やかな接点でも、わたし達には大切なことに思えて、いつしかお互いが大切な存在になっていた。
わたしの初恋だったのかもしれない。
