「俺の仕事は片付いたから、高畑の仕事もらうぞ」

「片付いたんじゃなくて、僕に押し付けたんですよね?」

「鈍感なお前にそれくらい押し付けたって、神様は許してくれるだろうよ」

「なんですか、鈍感って……」


田村はブツブツ言いながらも、仕事を再開する。

私は目の前で繰り広げられているやりとりを、茫然としたまま見つめていた。

主任は私に向き直ると、顔を覗き込んできた。


「ほら、高畑。お前はさっさと帰る準備しなさい」

「……あ、でもっ」

「早く帰って……俺のことだけ考えて寝なさい」

「――ッ」