「高畑、書類の確認頼む」


隣の席から手渡される大量の書類に、頭痛がさらにひどくなった。

……ちょっとは気遣えっての。


「な、なんだよ」

「……別に」


心の内が顔に出ていたのか、私を見た隣の席の男・田村は酷く怯えた様子だ。

田村は私が昨日傷心したということも、やけ酒を呑んだことも知らないし、その原因が自分だということにも気付いていない。