「あぁ~、この髪??染めたんだよ~??
似合う??♪」



そう言いながら少し長めの前髪を
見せるように、指でつまんで上に上げた。





そう。昨日、お風呂に入るまえに
した事とは、髪を染めること。



色は少し紺色に近い黒。



「…なんで急に染めたりしたんだよ?」



「あ、気になる??気になる??w」



「…。」


なんとも不愉快という顔をしてくれた。

まぁ、そういう顔になるだろうね
自分で本気で殴りたい。



「アハッ♪冗談だよ~♪


理由は~、金髪だと会長と
かぶっちゃうでしょ??


あと~、たまには黒に戻すのも
悪くないな~、って思って♪」




うざい。喋り方うざい。朝からうざい。


もういっそ殴ってくれ片割れ君。



いや、やっぱ痛いから殴らないで




片割れ君は怪訝な表情でおれを見ている。



「…だからってこんな直ぐに染めたり
するか?


てゆーか、お前って日本人だったのか?」



わぁお、意外と頭回るのね~



「昨日どうしても染めたかったんだよ♪


日本人かは~どうだろうね~??」



まぁ、テキトーに流そう。



双子の片割れ君がなにか言おうと
していたけれど


「あっ、早く飲まないとコーヒー
冷めちゃうよ~??」


言葉を遮ってみる。



また、怪訝な顔をしたけど、
これ以上なにも聞かれないように



「君の名前なんて~の??♪」


話題を変えてみた。



「柴崎頼(シバサキヨリ)だよ。
生徒会ではルリと一緒に書記をしてる」



一瞬不服そうな顔はしたものの
答えてくれた。



「そっか~♪ヨリ君か~、
書記なんて大変じゃない??」



「…別に…。」



まぁ、仕事してないからね。

大変とか言ったらどうしようかと
思った。



すると、ヨリはアッ!っとした表情に
なった