理事長が意識を手放したので
部屋のなかではおれと柳田さんの
二人きりの空間で
微妙な空気が流れる
「あの~、柳田さん。理事長、
救急車呼ばなくていいんですか?」
少し心配になって聞いてみる。
「あぁ、たぶん大丈夫ですよ。
最近寝ていなかったので疲れて
寝ただけだと思いますので」
「…あ、そーなんですか」
そういいながら寝ている理事長に
ブランケットをかける柳田さん
さすが秘書っすね
「さっき、任せろと言ったのは
本気ですか?」
急に話し始めた柳田さんに驚く
…おれも人にこんな思いさせてたのか
…今度から気をつけよう
「そうだよ?どうして?」
「正直に言いますと、この学園には
もうあまり時間がありません。
しかも、学園の生徒達はもちろん
生徒会はもっとプライドの高い人達
です。
変えるのは難しいかと…。」
あぁ、そーいうことね。
「あぁ、変えるのは難しそーだね」
「なっ…!」
けろっと言った俺に少し焦った様子で
なにか言おうとしている
「でも、理事長にお礼を言われたんだ。
変えないわけにはいかないな。」
そう言うとホッとしたような表情に
なった
理事長のことが好きなんだな~
この人は…
さぁて、時間もあまり無いことだし、
動きだしますか!
