店員は店の奥から一升瓶を持ち出し、私にそれを手渡した。どうやら自家製のスタミナドリンクらしい。瓶のラベルには毛筆で荒々しく『ケツ潰し』と書かれている。

「むせるまで飲め。それがあんたの適量だ。元気の持続時間は飲んだ量に比例するが…その後の副作用もしかりだ」

「副作用ってどんな?」

「心配することはない」

「この黒い汁の成分は」

「聞かないほうがいい」

「ちゃんと効くんだな」

「それだけは保証する」

私は一升瓶の栓を開けた。なんだ?この異臭は!この臭いはマズイ!マズイぞこれは!そうした飲むのにためらう私の様子を見て、店員は細く微笑む。

「どうしたビビったか?効くのが飲みたいんだろ。無理には勧めないけどな。あとの買い物は俺が適当に選んどいてやるよ」

「頼むよ。なあ、これって水とかで薄めなくもいいのか?ドリンクにしてはかなりドロドロした液体なんだが」

「カルピスじゃないんだぜ。薄めるぐらいなら他のスタミナドリンクを飲みな」