「熊がでたのか!」

「熊ではないが、その傍若無人な態度は熊をも越えるな。私はそれにエサを与え下山するつもりだ。明日のイノシシ狩りを成功させたいのなら変な穿鑿はするな」

「わかった」

「私はコンビニでエサを買ってくるから、その後のバイク頼むぞ」

「任せときな!」

大学の学生とは違い、逞しく真面目な男だ。助手としてああした男が欲しいな。まあ、それを考えるのは後にしよう。私はスタミナドリンクと彼女へのエサを求めコンビニに入った。

レジに立つ中年男の店員がお決まりの挨拶で私を迎える。とりあえず、とりあえずはだ…。

「金のことは考えなくていい!この店で一番効くスタミナドリンクが欲しい!」

「効くやつか…一般商品じゃないが、それでもいいなら出してやるよ。ただし領収書なしの現金払いだが」

私はレジカウンターに財布を置き、店員に中を確認するよう促す。

「この財布の中にある金を好きに使ってくれ。あと弁当とかフルーツ…そうだな、普通のドリンク類も頼む」

「いいぜ。ちょっと待ってな」