アリサとも、ちょっと距離が縮まった気がした。



一生分かり合えないと思ってた、あの天敵アリサと。


それを思えば、失敗づくめのこのミッションも、収穫ゼロとまでは言えないよな。



「…アイツ、麻雀部誘ってみるか」



誘わなくても、次から普通に居そうだけど。はは。




とにかく、明後日はテスト。
不本意ながら、実力で勝負することになってしまったが。



なにくそ。
頑張るぞ!



待っててくれ、東條さん!


「ぐぁっ!?」



高々と突き上げた右手に連動して、ぱっくり二の腕とぱっくり脇腹が悲鳴を上げた。


「う…逆の手にすれば良かった…」



ミッション大失敗の夜。



アホみたいにひとりでうずくまる俺を、月明かりが嘲笑うかのように照らしていた。