褒め言葉は耳に
すんなり入ってきた


人間ってそんなもんだろ


下を見ると鼻たれ小僧が
俺の学ランの裾を
引っ張っていた


「ティッシュか」


俺はティッシュを差し出そう
と思ったが、生憎
所持していなかったので

変わりと言ってはなんだが
ポケットに入ったままの
今ではゴミと化した
傑作の答案用紙を渡した


まぁこれで鼻水を
ふいてくれよ

鼻水をふけないよりは
マシだろう



と、同時に小僧も
俺に何か手渡してきた


…何だこれ?