気付くと俺は
帰り道である河川敷を
ゆっくり歩いていた


いつ授業が終わっていたのか

いつ席を立ったのか

ちゃんと純に
「また明日な」って言ったか


何も覚えていない


唯一感じるのは
この胸の苦しさだけ


本当に何でなんだろう


冷たい態度しか
とられたことないのに


ましてや会話など
したことがないのに


ただただ
俺は東堂さんに魅了されている


「ねぇ お兄さん」


憧れなのか
恋心なのか
友情なのか


「ねぇってば」


気持ちがモヤモヤしすぎて
頭がパンクしそう


「おい イケメン」

「はい何ですか」