「これ、使ってもいいんやろ?」


東堂さんは空き教室の
教卓の上に座りながら
あの券を俺に差し出した


「…うん いいよ

今日誰かと遊ぶ約束できたの?」


「涼くんやんか

だからこうやって
誘ってるねんやんか

分からん?あほ?」


「でも 桃ちゃん…」


「今日は幼稚園の友達の
家にお泊まりするんやって!

やし好きなだけ
あたしも遊ぶねん!」