「体育祭の夢見たよ」

「気が早いな。体育祭再来週ですけど?」

「違うよ!去年の」

「……去年て、俺100mで思いっきりコケた記憶しかないんですけど。まじダサいし」

「でも、慎がコケなかったら今一緒にいなかったよね?」


一瞬目を合わせて、小さく笑いあった。


「懐かしいな。テント行ったら保健委員の子が消毒液持って泣いてるしさ」

「それは忘れてって言ったじゃん!」

「無理ぃー。俺、あん時初めて彩のこと意識したし?」


カケは失敗したけど

今、

彼は私の隣にいる。


私は彼の隣で笑ってる。