付き合ってから
先輩は毎日毎日、

登校も下校も
アタシを迎えに来て、
一緒に登下校した。



「えー、今日も
帰れへんの?」

とアタシの唯一
心を許せる親友の

菜由美(ナユミ)が
口をとがらせた。




アタシも本当は
ナユミと帰りたいよ。


「ごめんね。彼氏がさ」
アタシは嫌な顔を
少し浮かべ、
肩をすくめた




「また帰ろうなぁー。
んな、また明日」
ナユミはポニーテールを
揺らしながら


教室を出た。







「華ちゃん。」
振り向くと、ほら
いつもと同じ



アタシは何も言わず、
笑顔なんか浮かべず、
教室を出た。