涙が落ちそうになった瞬間 だんっと背後の扉が開いた。 「え…お兄ちゃん…?」 振り向いてみれば、 肩で息をした忍の姿。 「どこ行ったか分かんなくて探したよ」 忍は手の甲で額の汗を拭うと 悩殺スマイルを見せた。 それに対してみゆうは 「来ると思った。じゃあ、私、先に戻るね~」 と言って屋上から出ていった。 残された私たち二人に 気まずい空気が流れる。