「私達がいた世界じゃ考えられない事よね」

傍らでリディルが呟く。

人間と魔族の激しい争いがあった彼らの世界。

なのにこの学園では、そんな気配は微塵も感じられない。

「なぁ」

フェイレイは、そばにいたりきに語りかける。

「こんな色んな種族がいる学園なのに、争いはないのか?種族間の諍いや、抗争や派閥はないのか?」

「……さぁね、俺も今年入学したばかりだから詳しくは知らないけど…」

気だるそうにりきは言う。