「早かったわね。じゃあ乗って。」 スマートキーでロックを解除し、私は運転席に、今市は助手席に乗り込んだ。 プッシュ式のエンジンスターターを押し、エンジンをかけ、シフトノブを操作する。 「じゃあ、出発。」 パーキングブレーキを解除して、私はゆっくりアクセルを踏んだ。 楠原 稀衣。 24歳。 入社三年目の女刑事。 事件に張り込みに大忙しの毎日を送っている。 こんな職業のせいか、彼氏なんて出来ないし、やっと出来ても中々会えないからという理由でフられてしまうのだ。