馬鹿と煙

宮益坂の適当な場所でタクシーを降りる


ジメッとした熱気が車内で冷やされた身体を即座に包んだ




夜だというのに酷く暑い。






「着いたけどどこ?」



「「ここー」」




繋がった携帯から無機質な声と
背後からの鮮明な声が重なると同時に振り返る






「気付かんなー、カスミ、芸能人とか見かけたことないっしょ?」







栗色のパーマを当てた髪は肩で揃えてる



パステルイエローのパフスリーブにレースのチュールスカート



少し焼けた肌に身に付けたヴィヴィアンのアクセはピンクゴールドで統一して




丸くのせたチーク、ばっさばさのマツエク





極めつけは‥生足









ナナはモテる。