馬鹿と煙

「いいよ、あたし、払う」





「いいの?」





「アシスタント止まりの子に払わせられないから」





「一言余計!」







お会計、と無愛想なバーテンに軽く手を上げた




変わらない態度






それが、先程の品のないガールズトークで見せた動揺を浮き彫りにさせる。







「呼び出したの、ナナなのに。ありがと。逆に、ごめん」





「いいよ、あたしこそ助かった、暇だったから」





「よく、金あるね。カスミ、たまにしか働いてないんでしょ。夜の仕事。」




「労働は向いてないからねー。なんてね。あたしを気に入ってくれてる人がいるから。そいつから、算出。」






「うらやましい。ナナなんか、カツカツ。のわりに、練習練習だから家帰るの遅くなっちゃう。今日みたいに」

































(‥ばっかだなあ。
幸せモンなのに)










口には出さないけど、心の中で呟いた。