家の鍵を閉めてーと。
よし!


「いってきます!」


空に向かってそう告げて
私は学校へと歩きだした。



〜♪


耳のイヤホンからは
私の大好きな曲が流れる。


はぁーやっぱイイ曲だなー。
うんうん。


トントン


肩を叩かれて振り向くと


「おはょー。叶愛ぁー!」
「おはよ!柚」


原田 柚。私の幼馴染で大親友!
フワフワしてて可愛いーの。


「あっ、またこの曲聞いてるんだ?」
「うん。いー曲なんだもん」


そっか、と笑って柚は私の隣に
並んで歩き出す。


クラスメートの篤くんの話を
楽しそうにしてる柚。
はは、幸せそうだなー。


「柚、ホント篤くん好きだね?」


そー言うと


「うん。だって篤紀かっこいーもん!」


顔をほんのりピンクにしながら
幸せそうに微笑む柚。
篤くんこと藤宮 篤紀くんは柚の彼氏。
スポーツマンで人気者。柚とお似合いなんだよね。


「いーですね?奥さん笑」
「もぉ奥さんて辞めてよーう」


私たちはふざけながら
校門をくぐった。


「でもさぁ?叶愛だってモテるのになんで
彼氏作らないのー?」


下駄箱から靴を取りながら柚が
不思議そうに聞いてきた。


「私なんかモテないよ?笑 ただ出来ないの!」


柚みたいに可愛くないし、と付け足して
私は上履きを履いた。


「もぉーほんと鈍感なんだから」


私はそう柚がつぶやいたのを
知らずに教室へと向かった。