「夏希、入るわよ」 お母さんが部屋にきた。 「ちゃんと、ご飯食べなきゃ」 「…いらない」 「夏希がちゃんと食べなきゃ、お腹の子が大きくなれないでしょ?」 そうだ。 この体は私だけのものじゃないんだ。 私には子供がいる。 でも… 「分かってるよ。でも、私は拓哉と一緒じゃなきゃ嫌なの!」 「夏希…」 「お腹の子が大きくなっていくのを、2人で喜んでお腹蹴ったって笑いあって、服を買って、子供が生まれてくるのを二人で楽しんで待つの」 「……」