急いで病室に行くと、夏希のうめき声が聞こえた。 「夏希!?」 急いで入ると、夏希がお腹をおさえて痛がっていた。 「夏希、大丈夫か!?」 「意外と…早く、陣痛が……来たみたい」 「先生は!?」 「まだ…出てきてないから、もう少し我慢しろって」 話すのもキツそうだった。 俺は夏希の手を握った。 「夏希、頑張れよ。絶対に元気な子が生まれてくるから」 「拓哉…手、冷たい」 「お参りしてきた。元気に生まれてくるように」 俺は夏希にお守りを見せると、 "かわいい" って笑った。