桜の木の下で～好きになってはいけない人～

ダッシュと言われても、一応人命は守らなくてはならなくて、そこまでスピードも出せない。だが、今日はそこまで混んでる訳でもないので、すぐにつくだろうと思った。

｢坂井さんさ、なんかあったんですか？｣

｢陽季様、私は美鈴お嬢様をお待ちしてたんですが、なかなか現れずでしてそこで悠兄･･･申し訳ありません、美鈴お嬢様のお父様の専属執事されております、木之本から連絡入りまして。陽季様を連れて仁科家にとだけ、聞いております｣

もちろん、なぜ陽季を連れてこいなんて言われたのかも、冬樹は知らない。