～冬樹side～
美鈴お嬢様は、自分自身が狙われる身分だと思わないだ。

出会って、いや、専属執事になって数ヶ月くらい経つが、美鈴お嬢様は、話すことは間違ってはいない。だが、ごくごくたまに天然な部分も出てくる。そう、さっきみたいな。

あの有名な仁科財閥のご令嬢が、狙われないはずもないのに、自分自身と思わないのは、おかしすぎることだ。

「美鈴お嬢様、もう一度忠告致します。狙われてもおかしくありませんので、くれぐれもお気をつけください。」

俺は、車内でそう告げた。

～冬樹sideend～