耳に響く声は、嫌悪感を掻き立てる。


「力、抜いて。」


「早くっ、して…」


 もう、どうでもよかった。

 屈辱的な言葉を吐いても早く逃れたかった。


「じゃあ、お言葉に甘えて…」


「んっ、あぁ…」


 膝が痛みでまた震える。


「イイよ。」


 薄汚い欲望のはけ口となっていた。


「っ…早、くっ…」


 苦痛の中で震える。興奮する男と対照的に紫乃は、完全に冷め切っていた。


「紫乃…哀しいのかい?」


 男のいやらしい嗤いが感じられた。