「大久保さん。今日1日は、呼吸器を付けたままになりますからね。」 答えをくれず器具の話しになった。紫乃は、小さく頷く。 「すぐに連絡を。」 医師たちがベッドから離れて行った。 両親の事を誰も話してくれない。 今が何日なのか全く解らない。どれほど眠りに堕ちていたのかを誰も答えてはくれないようだ。 「(どれくらい…眠っていたの?)」 両親の安否も犯人の事も何も解らないまま白い天井を見つめるだけしかなかった。