「あなたは…私をどうしたいの?」


「支配したい。」


「…支配?」


「そう…支配したい。解るだろう?」


「あなた…おかしい…」


 紫乃には、狂っているようにしか感じない。


「あぁ、そうだよ。お前を置いて世界は、廻る。」


 黒い瞳が狂気に満ちている。


「お前には、俺だけ。誰もお前を欲しいと言わない。
 誰も…」


「あなたは……可哀想な、人。」


 紫乃は、淋しい心に触れた気がした。

 深い口づけを黙って受ける。