「私は、“カゴの鳥”じゃありません!」


「いや、お前はカゴの鳥。」


 冷たい瞳が自分を独りにしていく。


「いいか、簡単に世界は…お前を忘れる。」


 冷たい瞳に支配されて行く。


「忘れる…?」


「そう…人は、事件の事もお前の事もあっという間に忘れ去る。」


「っ、」


 瞳に涙を溜める。


「お前の生きる世界はここだけ。」


 嗤い唇を奪う。


「いやっ!」


 唇を離し平手を食らわした。


「ふっ、勢いがいいな。」