「だからってあんな横暴が許されるのか?」


「お前が紫乃お嬢さんを襲った…と書いてあるが?」


「っ……」



 言葉を失う息子を見て男は、深いため息を洩らした。


「新社長がもしも機嫌を損ねて取り引きを止めると言ったらどうする?」


「すみません、軽率でした。」


 ようやく謝る息子を見て手紙を捨てた。


「さて、私は明日新社長への挨拶に行く。キチンと話しを聞いてこよう。」


「宜しくお願いします。婚約は、親が居なくても成立するかがポイントです。」