にっこりと笑いドアを閉めると運転席に座る。
 車は、ゆっくりと発進した。
 途中で紫乃は、眠気に襲われ気が付くと…見知らぬ部屋だった。

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 ようやく思い出した。
 支えがなければ身体を起こすのも辛い程で叫ぶのがやっと。 点滴で命を長らえていた。


「誰か、返事をして!!ここは何処なの!!」


 思い出し我に返った紫乃は、再び声を上げた。


「ずいぶんと賑やかだな。」


 どこかから部屋の中に声が響く。


「出して、下さい。」


 震える声で訴える。