「あの…よく解らないんですけど。」


 戸惑う紫乃は、声をかけた。


「今、お話しします。お待ち下さい。」


「何をする気?」


 紫乃は、勢いよくベッドから身体を起こした。


「急に起き上がると眩暈(めまい)を起こしますよ。」


「っ、」


 身体は、滝沢に言われた通りになり額を押さえる。心配そうに覗き込みベッドゆっくり寝かせてくれた。


「ゆっくりして下さい。」


 優しく声をかけられて紫乃は、安心して頷いた。