病院の正面入り口から放り出し冷たく言い放つ。


「僕は、婚約者だぞ!」


「解ってる。お前の父親に手紙を郵送しておいた。帰って家族で話し合え。」


 喚(わめ)く将大と対して静かに話す青年が正しく見えてしまう。


「紫乃は、僕のモノだ。」


「強姦未遂で訴えられたいのか?」


 通り過ぎる人が少年をジロジロ見ていた。


「僕は、譲らないからな!!」


 走り去る将大を見て嗤う。


「馬鹿ばかりだな。」


 病室に戻る。



 世界は、変わってゆく…。