青年は、静かに院長室に入る。 「西森さま。」 慌てて頭を下げる。 「院長。患者を守れない病院は、要らないな。」 威圧的に言いソファーに乱暴に座る。 「そっ、そんな。」 「大丈夫ですよ。明日、大久保 紫乃の退院許可を出して頂ければ許しましょう。」 院長は、一瞬戸惑った。紫乃には、まだ……退院の許可を出せるほどの体力が戻っておらず医師や看護師の居ない場所には移せない。 「提案、受けて頂けますよね?」