「止めって、って言ったでしょ!!」


「逃げれないんだよ。」


 奪われる唇。


「ガキが粋(いき)がるな!」


―・―・―・―・―・―・―



「ちょ、ちょっと…」


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 病室を出ていた滝沢は、中の様子をずっと伺っていた。


「もしもし、翔様。紫乃さまの危機には、駆けつけてもよろしいですか?」


 主人への質問は、愚問だったようで二つ返事で了承を得て電話を切ると再び中の様子に気を配った。

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