「誰なの?」


「怪しい者ではありません。」

 現れたスーツの男は、明らかに怪しかった。


―・―・―・―・―・―・―


 悲しみに暮れる紫乃の涙を拭く。


「続きを聞ける?」


 優しく声をかけられて小さく頷く。


「2人共出血多量で…身体を40箇所以上もメッタ刺しされていたらしい。」


「うっ…」


 光景を思い出して口を押さえる。


「相当な恨みがあるって刑事さんが言ってたよ。」


 手を強く握る。


「…葬儀、は?」