「大丈夫だよ、母さん。これで全て俺たちのモノ。」


「そうね。全て。」


 目配せをして母子は、嗤う。


「ん…。」


 気怠い中、目を覚ます。見慣れた天井に目を向けていると手に温もりを感じた。


「久しぶり、僕の愛しい人。」


「…将大?」


 彼の名前を口にするとにっこりと笑顔を向けてくれる。ぎこちなかったかもしれないが笑顔を返す。


「心配したよ。」


「…うん、」


「ご両親の事は聞いた?」


 優しく聞く彼に小さく頷いた。