†侵愛†~そっと貴方の毒牙にかけて~

  

 冷たくなりつつあったのは…父親。


「お父さん…」


 どこかで…解っていた。駆け寄った時反応もせず、母親よりも酷い量の出血だった。
 ゆっくりと考えると助からなかっただろうと、思えた。

 静かに涙が零れ案外早くに疲れを感じまぶたを閉じた。


 》 》 


「それでは、開票致します。」


 ここは、大久保財閥が3代に渡り経営している世界有数の大久保グループである。
 予期せぬ先代の急逝の為新たなグループのトップを決める重役会議と投票が行われていた。