町は、賑やかなクリスマス。人々は、楽しげに家路を急いでいた。 「紫乃ー、またね~。」 「うん。」 大きなピアノ教室の前で友だちとにこやかに別れる。 少女は、イルミネーションが綺麗な街路樹を抜けて静かな住宅街に入る。 少女の家は、大きなお屋敷である。住宅街でも夜は、静かなもので誰も歩いていない事の方が多い。 クリスマスもありほとんどの家のカーテンの向こう側にあるイルミネーションが綺麗なツリーの影が見えていた。