「ちょ!美心!早いよー。てか、髪直さなくていいの?」
「え、…あ、うん。直す直す。ごめん菜樹ちゃん。あたしトイレ行ってくる」
「うん、分かったー」
早歩きで、俯きながらトイレに向かった。
早く、逃げたかった。
きっとあたしの顔は、最悪だ。
トイレに入って、鏡を見た。
欲にまみれた、ひどい顔。
そして、不安に押しつぶれそうになっている顔。
最悪な感情が、あたしの心を黒くする。
あなた達が、ハルくんの名前を口にしないで。
こんな感情が、あたしを包んでいく。
好きになると、どんどん欲張りに、わがままになる。



