隣のキミ







そう、そうだよ。



言ってやろうじゃん。


あたしは、あんたを殴って、後悔なんてしてない。って。


あたしは手に力を込めた。


そのとき、



「ねぇ、レンくん。そんな女の所居ちゃダメだよ。」



唯香が猫なで声で言った。




……。



ゆっくりと、力が抜ける。

さっきまで、硬くなっていた手はもう動かない。


「ねぇ、レンく―――…」


「うるせーなぁ!!!!!」


……え?


さっきまでうるさかった教室が静まり返った。

唯香の顔が強張った。





なぜか、ヒンヤリとした教室。



異様な空気が、漂っている。


あたしはゆっくりと目線だけでさっきの声の主を探した。


あぁ、こんな顔、見たこと無い。


こんな冷え切った、山口の顔――。