もう、暗い夜。 だけど、月の明かりが、まぶしい。 あたしは、ハルくんに家まで送ってもらっていた。 「やさしい、人だね」 「え?」 「お母さん。なんだか、こっちまでやさいし気持ちになれた」 うん。だって、なんだか心があったかいもの。 あの料理には、たくさんの思いが詰まっていた気がした。 「まぁ、天然だけどな」 そう言ってハルくんは、苦笑いをした。