別に、悲しくはない。



これ以上、親に迷惑はかけられない。



「本当に、ありがとうございました」




あたしは、おばさんと達樹に深く頭を下げた。


「や、やだ。頭を上げて。美心ちゃん」


おばさんは、そう言ったけれど、あたしは頭を上げなかった。




達樹の家は、片親。

なのに、あたしの心配までしてくれて………。





本当に、感謝している。